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【組立業者向け】生産管理システム導入のポイント

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2024年12月11日

【組立業者向け】生産管理システム導入のポイント

組立業は部品を効率的に活用するためにも、正確な管理が必要です。一方で、生産管理にExcelを利用している企業も少なくありません。しかしExcelを使い、手作業でデータを入力する場合は担当者の負担が大きく、人為的なミスが起こるリスクもあります。

そのため生産プロセスの正確な管理や、生産性の向上を目指して、生産管理システムの導入を検討している方もいるのではないでしょうか。

そこで本記事では、組立業者の方に向けて、生産管理システムのメリットや導入のポイントなどを解説します。

組立業における生産管理の重要ポイント

組立業には、生産管理で重視すべきポイントが3つあります。それぞれのポイントを解説します。

1. 部品構成表の作成・管理

1つ目は、部品構成表の作成・管理です。部品の管理表は、次の2種類があります。

● 部品表:製品の製造に必要な部品を一覧でまとめたもの
● 部品構成表:製品の製造に必要な部品を階層構造でまとめたもの

この2つのうち、特に重視されるのは部品構成表です。

組立業では複数の部品を使用して製品を組み立てるため、製品のどの部分にどの部品が使われているか確認するには、部品構成表での管理が必要です。

部品表は全ての部品の一覧であり、製造の特定の工程で必要な部品をまとめて発注したい際などは、発注する部品を一つずつチェックする必要が生じるので手間がかかります。そこで部品構成表を用いれば、工程ごとに階層構造になっているため、必要な部品だけを抽出しやすいです。



このような理由で、組立業では部品構成表が重視されます。

2. 部品の所要量計算と発注管理

2つ目は、部品の所要量計算と発注管理です。部品の発注管理で中心となるのが、所要量計算です。所要量計算とは受注状況などを基に、製品を作るのに必要な部品や数量、時期を算出することを指します。

製品の製造に必要な部品の数量を確認したら、発注する前に保有している在庫の中に有効在庫がどのくらいあるかの確認が必要です。有効在庫は、販売予定が決まっていない在庫を指します。また総在庫数から用途が決まっている引当在庫を差し引いたものが有効在庫数です。在庫がなければ、どの部品をいくつ発注すべきか確認します。

それから購買状況とリードタイムを考慮し、それぞれの部品がどのタイミングで必要になるかを確定します。部品構成表は部品を組み立てる順番が分かるように階層構造になっているため、部品が必要なタイミングの判断に役立つでしょう。

所要量計算によって、必要な部品の数量を正確に把握できるため、過剰在庫や在庫不足を解消できます。

3. 部品の適切な在庫管理

3つ目は、部品の適切な在庫管理です。業種・業態によっては、所要量計算の際に在庫管理が必要です。

仕様が決まっている製品を受注のたびに製造する「繰返生産」方式の業態では、余裕のある在庫を保有しておいた方が良いでしょう。一定の在庫を保有する必要がある場合、適正在庫数量を決めておき、在庫が下回ったタイミングで発注する管理が必要です。

一方、個別の受注に対して一から設計・開発して製造する「個別生産」方式の業態の場合、在庫を多く保有する必要はありません。

生産管理と製造管理の違い

よくセットで耳にする生産管理と製造管理の違いは「どのように全体を効率よく進めるか」を考えるマクロな視点の生産管理と「どうやって現場で確実に製品を作るか」を支えるミクロな視点の製造管理という意味の違いがあります。

それぞれ役割が異なるものの製造業において重要な要素となるため、バランス良く改善していくことが重要です。

Excelによる管理と生産管理システムの違い

生産管理にExcelを活用している企業は少なくありません。Excelは多くの企業で導入されているため、コストをかけずに生産管理できるメリットがありますが、組立業の生産管理に利用するとさまざまな課題が発生する場合があります。

Excelで管理した場合に発生しやすい問題と、生産管理システムを導入するメリットをご紹介します。

部品構成表の管理

まずは、部品構成表をExcelで管理した場合と生産管理システムを導入した場合の違いについて解説します。

Excelで管理する場合

組立業は使用する部品が多いため、Excelで管理すると担当者のデータ入力量は膨大な量になります。また人の手で管理を行うと、どうしてもミスの発生は避けられません。ミスが大きなトラブルに発展する恐れもあります。

部品構成表をExcelで管理する場合、主に以下のデメリットがあります。

● データが蓄積されると重くなりやすい
● 最新ファイルがどれか分かりにくい
● 誤って上書きするリスクがある
● 作成者によってフォーマットが違う
● 部品から製品への逆展開が難しい

部品構成表をExcelで管理した場合は、上記のような問題が起こりやすいです。そのため、部品の使用状況を正確に把握できなくなる可能性があります。また部品構成表を作るのは大変な手間がかかるため、部品表のみしか作らないケースも考えられます。

部品表だけで管理したり、部品構成表を正確に作成できなかったりすれば、発注のタイミングを的確に判断するのが困難になるでしょう。その結果不要な在庫を大量に抱えてしまうリスクも生じます。

生産管理システムを導入する場合

生産管理システムは、製品ごとの部品構成表を管理しやすいケースが多いです。一元管理できるため、発注や在庫管理も効率化できるでしょう。

また部品から製品を特定する逆展開が可能になるため、特定の部品が少なくなった時点で同じ部品が使われている製品を見つけ出し、製品単位でなく現場単位で部品を一括発注が可能です。

発注にかかる手間を大幅に抑えられるメリットがあります。

部品の発注管理

次に、部品の発注管理をExcelで管理する場合と生産管理システムを導入する場合の違いについて解説します。

Excelで管理する場合

Excelを使って部品構成表を作成するのは煩雑な作業です。そのため「部品表は作成しているものの、部品構成表の作成までは手が回らない」というケースもあるかもしれません。しかし部品表だけで部品を管理すると、すぐに必要のない部品まで一括発注する可能性があります。その結果、気付かないうちに不要な部品を過剰に抱えてしまうかもしれません。

たとえExcelで部品構成表を作成していても、適切な部品・数量・必要な時期を判断するのは困難です。Excelのシートから発注表への変換作業も手間がかかります。

生産管理システムを導入する場合

生産管理システムは、製品ごとの部品構成表を簡単に管理できます。部品全体を一元管理できるため、所要量計算から自動的に発注予定データが作られます。そのため、発注や仕入管理がスムーズです。

また最小発注数が実際に必要な数量より多い場合は、余剰分が在庫として計上されます。

部品の在庫管理

部品を在庫として保有する場合は在庫管理が必要です。Excelで管理した場合と生産管理システムを導入した場合の違いを解説します。

Excelで管理する場合

部品の入庫・出庫予定は日々変わるため、有効在庫数量を時系列で管理する必要がありますが、Excelで行うのは困難です。

Excelで管理する場合、部品の品目が増えれば増えるほど管理が煩雑になり、管理しきれなくなるケースが少なくありません。

Excelでの管理が形ばかりのものになれば、管理は現場の勘に頼るしかなくなります。その場合、特定の社員しか在庫が把握できなくなるため、不在時はどの在庫が使えるか分からずに混乱を招いてしまいます。

生産管理システムを導入する場合

生産管理システムは、日々変わる在庫情報を時系列で管理できます。受注予定や生産予定から所要量計算を行い、納期に合わせて必要な数量を自動的に表示可能です。

一定の在庫数が必要な場合は、適正在庫量を下回ったタイミングで発注点手配もできます。

部品管理を効率化できる部品管理システム

組立業は部品を多数使用するため、正確な管理が必要です。部品の管理に特化した部品管理システムを導入すれば、部品を効率的に管理できます。部品管理システムの主な機能やメリットをご紹介します。

部品管理システムとは

部品管理システムとは、部品情報を効率的に管理・共有できるシステムのことです。部品をExcelで一覧化して管理すると「部品がどの範囲で使われているか分からない」「管理が属人化してしまう」など、さまざまな問題が生じることがあります。

部品管理システムを利用すれば、製品の構成部品を一元管理できるため、Excelでの管理より効率的です。

部品管理システムの主な機能

部品管理システムには主に以下の機能があります。

● 部品表(BOM)管理機能
● 部品表(BOM)更新機能
● 製品管理機能
● 在庫管理機能

BOMとは、Bill Of Materialsの頭文字を取った略語で、製品の製造に必要な部品を挙げた部品表のことです。つまりBOM管理機能は、部品表を設計や生産などの属性ごとに体系的に管理できる機能です。部門ごとの部品表が明確になるため、部品管理で矛盾が生じません。

BOM更新機能とは、自動的に部品表を更新できる機能のことです。設計変更で部品の変更や差し替えが行われたとき、この機能を活用して自動更新すれば、伝達漏れによる設計ミスを防げます。

製品管理機能は、製品を属性ごとに体系的に管理できる機能です。部品表に記載されている製品情報を紐付けられるため、図面や製品情報をすぐに見つけ出せます。

在庫管理機能とは、部品の在庫を製品の製造工程に沿って管理できる機能のことです。各部品がどの工程で使用されるか分かるため、在庫や不足分が明確になります。

部品管理システムを導入するメリット

部品管理システムを導入する主なメリットには、次のことが挙げられます。

● データの一元管理
● スムーズな情報共有
● リアルタイムな情報更新

部品管理システムを導入すると、製品の構成部品を一元的に管理できます。各部門の最適化されたBOMを管理できるため、必要なデータをすぐに検索できます。

また各部門の情報をまとめて管理できるため、情報共有がスムーズです。複数人での同時編集も可能なため、登録情報をリアルタイムに編集でき、最新の情報を共有できます。

組立業が生産管理システムを選ぶときのポイント

Excelでは困難な在庫管理も生産管理システムを導入すればスムーズです。組立業で生産管理システムを選ぶときのポイントを2つご紹介します。

1. 自社に必要な機能が備わっている

1つ目は、自社に必要な機能が備わっていることです。生産管理システムは、生産に関する業務を一元管理できます。生産計画・資材所要量計画(MRP)・販売管理・仕入管理・BOM管理など、さまざまな機能がありますが、組立業の場合は部品構成表の管理・発注管理・在庫管理ができるものを選びましょう。

2. 自社の生産方式に対応している

2つ目は、自社の生産方式に対応していることです。生産方式には、ロット生産や受注生産などさまざまな種類があります。また生産体制には多品種少量生産や少品種大量生産、変種変量生産などがあるため、企業によって生産管理システムに求める機能は異なります。

自社の生産方式に合っていなければ、作業工程のどこかで支障を来すかもしれません。生産管理システムは、自社の生産方式に対応したものを選びましょう。

組立業は生産管理システムの導入がおすすめ

組立業は部品の適切な管理が重要ですが、Excelでの管理は煩雑なため、管理しきれなくなる可能性が高いです。その場合、特定の担当者の勘に頼らざるを得なくなり、本当に使える在庫が分からなくなるリスクもあります。

生産管理システムは、製品ごとの部品構成表の一元管理や、有効在庫の時系列での管理が可能です。導入する際は、自社の課題や生産方式に適合したシステムを選びましょう。

また、生産管理はもちろん製造管理も生産性向上には欠かせません。株式会社成電社は製造管理の重要性に応えるため、「ビジュアル先生PRO」という製造管理マニュアル作成ソフトをご提供しています。このソフトは、手作業の手順を静止画でわかりやすく可視化し、誰もが同じ手順で正確に作業できる環境を整えます。製造現場での正確性向上・品質安定をお求めの方は、ぜひ成電社へご相談ください。

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